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不当解雇された場合に退職金の請求はできる?
労働契約は当事者の意思の合致によって成立するもので、合意に沿って、使用者は賃金を支払い、労働者は労働力を提供します。
そして、労働契約は民法上、両当事者から一方的に解約することができることになっています。
もっとも、本来平等な力関係であるべき契約関係ですが、労働契約における関係は、使用者が優位な立場にあり、労働者が劣位な立場になりがちです。そのため、労働基準法や労働契約法は、労働者の身分を尊重するべく、民法の規定を修正しています。
例えば、使用者からの労働契約の終了、すなわち、解雇には一定の要件が求められています。
使用者が労働者を解雇するためには、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要求されています。
また、有期雇用労働者に関しては、解雇にやむを得ない事由が要求されています。加えて、解雇には、30日以上前の解雇予告か、30日以上の賃金を支払うことが求められています。
では、不当解雇をされた労働者は退職金を請求することができるのでしょうか。
このページでは不当解雇をされた労働者は退職金を請求することができるのかについてご紹介します。
■不当解雇された労働者の退職金の請求の可否
退職金の請求権は法律上定められているものではなく、契約内容になっていることで両者を拘束し、労働者に認められるものです。各会社の制定した就業規則等によって退職金を定めることで労働者に認められます。これは、就業規則に定められているものは、内容が合理的であり、周知されていれば、労働契約の内容になるためです。
そのため、退職金の有無や、金額が就業規則等に定められ、労働者の権利となっている以上、自己都合か会社都合の退職かで金額に違いが生じる恐れはありますが、退職に際して退職金を請求することができます。
では、不当解雇の場合にはどうでしょうか。
労働法によって保護される労働者を、客観的に合理的な理由ないし社会通念上の相当性なく解雇した場合、不当解雇として「無効」となります。
無効になるということは、労働契約は終了しておらず、退職していないということとなります。
よって、労働契約を存続させる以上は退職金の請求をすることはできません。
もっとも、不当解雇をした会社との労働契約の存続を望まない場合もあります。不当解雇であっても、示談によって解決し、その中で、解雇を受け入れるような場合には、退職したものとして、退職金の支払いを請求することができます。
これは、不当解雇であったからといって退職金を請求する権利は失われないということです。
なお、不当解雇を争った結果退職を受け入れた場合、退職金に加えて、解決金の請求もすることができます。
以上のように、不当解雇であっても退職金の請求をすることはできますが、本件での解雇が不当解雇であるのか、退職金はいくらもらえるのか等、専門的な内容は弁護士などの専門家に相談することが求められます。
里村総合法律事務所は、大阪府を中心に、関西にお住いの皆様からご相談を承っております。
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- 所属団体
- 大阪弁護士会
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- 経歴
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2010年 京都大学法学部 卒業
2012年 京都大学法科大学院 卒業
2014年 弁護士登録(大阪弁護士会)
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- 執筆・監修
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