01
管理費や修繕積立金を滞納する区分所有者への対処法
マンションの区分所有者による管理費や修繕積立金の滞納は、マンション全体に対して悪影響を及ぼすため、管理組合は滞納者に対してしっかりとした対応をする必要があります。
この記事では、管理費や修繕積立金を滞納する区分所有者への対処法について解説します。
管理費や修繕積立金を滞納された場合の対処法とは
管理費や修繕積立金の滞納を繰り返す区分所有者がいる場合の対処は、次の手順で進めます。
- 書面での支払い督促を行う
- 内容証明郵便による催告
- 裁判所による支払督促
書面での支払い督促を行う
自主管理のマンション管理組合の場合、管理費などを区分所有者が滞納すると、理事会で話し合い、基本的には書面にて督促を行うことが一般的です。
滞納が発生して間もないタイミングであれば、支払いが再開されるケースもあります。
内容証明郵便による催告
口頭や電話、書面で催告をしても支払いに応じない場合には、管理組合や理事長名義で内容証明郵便を利用した正式な催告状を送付します。
内容証明郵便は、「いつ、誰が、誰に向けて、どのような請求を行ったのか」を郵便局が公的に証明してくれる制度です。
この制度は法的手続きの前段階として広く知られている方法で、滞納者に心理的プレッシャーをかけ、事態の深刻さを認識させることができます。
裁判所による支払督促
内容証明郵便を送付しても支払いがされない場合、簡易裁判所を通じて支払督促をします。
支払督促とは、家賃や賃金の支払いが行われない場合、申立人の申し立てに基づき簡易裁判所の書記官が相手方に支払いを命じる手続きです。
滞納者が支払督促を受け取り後2週間以内に異議申立てを行わなかった場合、管理組合側は仮執行の申し立てができます。
仮執行の申し立てにも異議が出されなかった場合、確定判決と同様の効果が得られることになり、滞納者の財産の差し押さえが可能です。
書類の受け取りから2週間以内に滞納者が異議を申し立てた場合には、裁判へと移行します。
まとめ
マンションの管理費や修繕積立金を滞納する区分所有者に対しては、適切な手順を踏んで対応することが大切です。
滞納の対応には時間と労力を要しますが、管理組合全体の利益を守るためには、迅速かつ法的に正しい対応が求められます。
マンションの管理費や修繕積立金の滞納にお困りの際には、弁護士に相談しながら対応を進めることをおすすめします。
02
当事務所が提供する基礎知識
-
内部通報制度
健全な企業活動を支える一つの制度として、内部通報制度が挙げられます。昨今耳目を集める企業不祥事には、企業の「外 […]
-
不当解雇を弁護士に相...
不当解雇とは、会社(使用者)が法律違反や就業規則違反の方法・理由により一方的に労働契約を解約することの総称です […]
-
事業用賃貸におけるよ...
事業用賃貸では、通常の居住用の賃貸とは異なる様々なトラブルが発生することがあります。当記事では、事業用賃貸での […]
-
不動産売買の流れを解...
不動産売買の流れは売却の場合と購入の場合があります。まず、不動産を売却する場合には不動産をいくらで売却するかを […]
-
売掛金が回収できない...
売掛金の回収は、会社の円滑な経営において大きな役割を担うものです。しかし、時として売掛金の回収が遅延してしまう […]
-
アルバイトでも不当解...
アルバイトやパートタイムの方で、「次から来なくていい」と言われたなど、突然の解雇でお困りの方もいらっしゃると思 […]
03
よく検索されるキーワード
04
弁護士紹介
弁護士里村 格(さとむら いたる)
大阪の東天満の里村総合法律事務所に所属する弁護士です。
誠実・丁寧・公正を心掛けて,ご依頼者様にとって有益で納得できる解決を目指します。
-
- 所属団体
- 大阪弁護士会
-
- 経歴
-
2010年 京都大学法学部 卒業
2012年 京都大学法科大学院 卒業
2014年 弁護士登録(大阪弁護士会)
-
- 執筆・監修
-
「三士業の実務がクロスする相続事案の解決力」 清文社 (共著)
覚書とは 契約書と念書の違い 必要なケースやメリットを紹介 (監修)
「1ヵ月後に退去して」大家から突然の退去勧告。立退料にも「そんな金が支払えるか!」と応じられず…。退去しなければならないのか?【弁護士が解説】 (監修)
-
- インタビュー
-
企業法務や労働問題、不動産・相続分野を手掛け、トラブルの解決をサポート 【マイベストプロ大阪】
弁護士をもっと身近な存在に感じてもらいたいーー。依頼者に寄り添い、誠実に対応することが問題解決への第一歩になる 【地域色彩】
05