01
内部通報制度
健全な企業活動を支える一つの制度として、内部通報制度が挙げられます。昨今耳目を集める企業不祥事には、企業の「外」である、エンドユーザーからの口コミやマスコミのリークによって発覚するものが少なくありません。
「外」からの発覚の場合、企業が部分的にしか事態を把握していないにもかかわらず、極めて迅速な対応を求められるため、後手後手の場当たり的な対応となってしまい、その対応によってさらに批判の声が強まるという現象も多々見られます。
不祥事に的確に対応するために、不祥事の情報を企業内部で吸い上げるための制度が内部通報制度です。大企業では内部通報制度の設計は常態化しているものと思われますし、そのような大企業と取引する中小企業は、自社のガバナンスが適切になされていることを示すためにも内部通報制度を定めることは有用と考えられます。
また、例えば各種ハラスメント行為など、経営陣がなかなか発見しにくいトラブルの種を早期に発見・対処するという効用も望めます。
もっとも、内部通報制度を利用しようと考える企業従業員は、いわゆる密告により、自らに、解雇や配置転換等の不利益が生じるのではないか、などと考えてしまい、制度を利用することをためらいがちです。この点、公益通報者保護法により、同法に定める対象事実について通報をした者に対しては、解雇等の不利益取扱いの禁止や、通報者の情報保護が定められているため、そのような報復的行為は許されないのですが、この公益通報者保護法にも配慮する必要があります。
そのため、内部通報制度をただ定めるだけではなく、適切に設計、運用していくことが必須です。その一手段として、通報窓口を社内のみに設置するのではなく、社外の弁護士事務所を通報窓口として設置し、通報しても不利益取り扱いをなされないであろうと安心して通報できる制度とすることも考えられます。また、通報された事象について、弁護士が調査や是正措置等の対応に関与することによって、適切に不祥事の処理を行うことも可能です。
里村総合法律事務所では、大阪を拠点とし、内部通報制度の設計支援や、通報窓口となることにより、企業運営をサポートしております。
企業法務についてお悩みの方は、里村総合法律事務所までどうぞお気軽にご相談ください。
02
当事務所が提供する基礎知識
-
著作権譲渡とは?契約...
「著作権を譲渡することとなったため契約を締結したいが、どのような内容が適切だろうか。」「著作権を譲渡しても著作 […]
-
内部通報制度とは?ポ...
2022年6月に施行された改正公益通報者保護法により、従業員数が300人を超える企業は、内部通報制度の整備が義 […]
-
顧問弁護士とは?依頼...
■顧問弁護士とは顧問弁護士とは、企業の様々な問題、相談事について法的な視点から継続的にサポートをする弁護士をい […]
-
事業用物件において賃...
契約書の作成時は、細心の注意を払わなければなりません。作成においてはインターネット上の雛形を利用することもでき […]
-
不動産売買の流れを解...
不動産売買の流れは売却の場合と購入の場合があります。まず、不動産を売却する場合には不動産をいくらで売却するかを […]
-
法人破産の流れと費用
法人が破産をする場合には一定の手続きと費用を要します。まず、破産をする場合、弁護士に破産手続きについての相談を […]
03
よく検索されるキーワード
04
弁護士紹介
弁護士里村 格(さとむら いたる)
大阪の東天満の里村総合法律事務所に所属する弁護士です。
誠実・丁寧・公正を心掛けて,ご依頼者様にとって有益で納得できる解決を目指します。
-
- 所属団体
- 大阪弁護士会
-
- 経歴
-
2010年 京都大学法学部 卒業
2012年 京都大学法科大学院 卒業
2014年 弁護士登録(大阪弁護士会)
-
- 執筆・監修
-
「三士業の実務がクロスする相続事案の解決力」 清文社 (共著)
覚書とは 契約書と念書の違い 必要なケースやメリットを紹介 (監修)
「1ヵ月後に退去して」大家から突然の退去勧告。立退料にも「そんな金が支払えるか!」と応じられず…。退去しなければならないのか?【弁護士が解説】 (監修)
-
- インタビュー
-
企業法務や労働問題、不動産・相続分野を手掛け、トラブルの解決をサポート 【マイベストプロ大阪】
弁護士をもっと身近な存在に感じてもらいたいーー。依頼者に寄り添い、誠実に対応することが問題解決への第一歩になる 【地域色彩】
05