01
立ち退き拒否をされた場合の対処法とは
不動産の賃貸借契約の際に、賃借人が不動産を占有していた場合、賃貸人は賃貸借契約の終了によって、不動産の立ち退きを請求することができます。
もっとも、賃貸借契約の終了に際しては、民法(の解釈)上、特別の配慮が設けられています。
債務不履行に基づく契約解除には、「信頼関係が破壊されたと認めるに足りる特段の事情」が求められます。これは、対象となっている不動産は賃借人にとって生活の基盤となっており、長期的・継続的な契約関係を前提としていることが多いためです。
また、上記配慮から、不動産賃貸借の契約解約を申し入れる場合や、賃借人からの契約更新を拒絶するような場合には、借地借家法上「正当な事由」が要求されます。
では、立ち退きを拒否された場合いかに対処すればよいのでしょうか。
このページでは、賃借人に立ち退きが拒否された場合の対処法についてご紹介します。
■立ち退き拒否された場合の対処法
無条件での立ち退きに任意に応じない場合の対処法としては以下のものが考えられます。
・立退料の交渉
生活の拠点にしている不動産からの退去を求められると、賃借人は新たな拠点を探して引っ越しをする必要があります。そのためには、多くの初期費用がかかるため、立ち退きに応じないことが多いです。そこで、立ち退きに応じる代わりに立退料を支払うことを申し出て、金額を交渉することが考えられます。
立退料の支払いは、正当事由の補強要素にもなります。すなわち、立ち退きを正当化できる理由としては不十分な場合には、その不十分を補完するだけの立退料を支払うことで、正当な立ち退き請求とすることができます。
・代替物件の提供
上述のように賃借人は生活の拠点を失うことになるため、立ち退きには難化した態度を示すことが多いです。
そこで、賃貸人がほかに賃貸借契約を提供することができる物件を有しているのであれば、これを提供することによって、立ち退きに応じてもらうことが考えられます。
・弁護士に相談、法的措置
立ち退きを認めてもらうためには、民法や借地借家法上の要請をクリアしていることが求められます。
どのような場合に、立ち退きが正当なものとして認められるのかわからないような場合には、弁護士に相談して、立退料等の相談を行うことが考えられます。
立ち退き請求といった不動産問題に精通する弁護士は、立退料の相場など、立ち退きを認めてもらうために必要なことを熟知しています。そのため、弁護士に相談することで正当な立ち退き請求が可能となります。
また、相手方としても、弁護士の提示した内容は信頼ができるものとして、立ち退きに応じることも考えられます。
そのような場合には、訴訟の専門家である弁護士に相談する必要があります。示談で解決できない場合には、訴訟やそれに続く強制執行といった法的措置を採ることで、立ち退きを実現することができます。
以上のように、不動産の立ち退きを求めても応じない場合には、立退料の支払いや、代替不動産の提供、弁護士に相談することが考えられます。
里村総合法律事務所は、大阪府を中心に、関西にお住いの皆様からご相談を承っております。
不動産の立ち退き関するお困りごとをはじめとした不動産問題のほか、企業法務や労働問題でお困りの方はどうぞお気軽にご相談ください。
お待ちしております。
02
当事務所が提供する基礎知識
-
夫婦ペアローンで購入...
近年では女性が社会進出をし、マイホームを購入する際には、夫婦共同でローンを組むということが多くなりました。しか […]
-
不当解雇を弁護士に相...
不当解雇とは、会社(使用者)が法律違反や就業規則違反の方法・理由により一方的に労働契約を解約することの総称です […]
-
法人破産の流れと費用
法人が破産をする場合には一定の手続きと費用を要します。まず、破産をする場合、弁護士に破産手続きについての相談を […]
-
事業用物件において賃...
契約書の作成時は、細心の注意を払わなければなりません。作成においてはインターネット上の雛形を利用することもでき […]
-
原状回復の義務はどこ...
原状回復とは、契約期間が満了または終了した場合に賃貸目的物など契約の目的物を契約締結時の状態に戻すことを言いま […]
-
瑕疵担保責任とは?
瑕疵担保責任とは、改正前民法において使用されていた用語で、2020年4月から施行された現行民法では「契約不適合 […]
03
よく検索されるキーワード
04
弁護士紹介
弁護士里村 格(さとむら いたる)
大阪の東天満の里村総合法律事務所に所属する弁護士です。
誠実・丁寧・公正を心掛けて,ご依頼者様にとって有益で納得できる解決を目指します。
-
- 所属団体
- 大阪弁護士会
-
- 経歴
-
2010年 京都大学法学部 卒業
2012年 京都大学法科大学院 卒業
2014年 弁護士登録(大阪弁護士会)
-
- 執筆・監修
-
「三士業の実務がクロスする相続事案の解決力」 清文社 (共著)
覚書とは 契約書と念書の違い 必要なケースやメリットを紹介 (監修)
「1ヵ月後に退去して」大家から突然の退去勧告。立退料にも「そんな金が支払えるか!」と応じられず…。退去しなければならないのか?【弁護士が解説】 (監修)
-
- インタビュー
-
企業法務や労働問題、不動産・相続分野を手掛け、トラブルの解決をサポート 【マイベストプロ大阪】
弁護士をもっと身近な存在に感じてもらいたいーー。依頼者に寄り添い、誠実に対応することが問題解決への第一歩になる 【地域色彩】
05